入職か3ヵ月ほどが経過し、忙しいながらも充実した日々を送る中、私の体に小さな異変が起こり始めます。それは、10月の半ばに差し掛かった頃でした。朝夕の寒さが段々と実感出来るようになっていき、「山間部は寒くなるのが早いなぁ」などと思いながら、いつものように介護やリハビリの業務を行っていると、突然指先に刺すような痛みを感じたのです。
「何か刺さったかな?」と思い指を確認したのですが、特に外傷などはありません。すぐに痛みは消えてしまったので、その日はそれ以降は気にせず仕事を続けることに・・・
しかし、日中の業務を終えてサービス残業をしながら書類を片付けていると、先ほど痛んでいた指とその周辺に強い痛みが走ったのです。
慌てて確認するも、やはり外傷や熱感はありません。そのまま書類仕事をするのはツラかったので、夜勤の看護師さんにお願いして湿布薬を分けてもらい貼っておきました。すると何となく痛みが緩和されたような気がしたので、そのまま業務を続行し書類を終えて帰宅する事にしたのです。
しかし、その日から指先を中心に身体のあちこちに、痛みが出たり消えたりを繰り返すようになっていきます。ただ、その時点では我慢できない程の痛みではないし、痛くない時もある・・・仕事も忙しいという事で病院には行かずに痛み止めや湿布薬で対応する事にしました。
今になって考えるとこの辺りの対応が、それ以降の状態の分岐点になってきているのかな?と思います。
そして12月、年末が近くなると高齢者施設もご多分に漏れず業務が忙しくなって来ます。それに伴い、私の業務は増加していき残業の無い日はない状態になっていきます。その時点では特に思うこともなくどこの業界もこんなものだと考えていたのですが、身体に走る痛みは強くなり持続時間も長くなって来てました。
そんな折、施設長から新規事業の立ち上げと新しい加算を検討するようにとの提案が起こります。
スタッフ一同、現状でも手一杯なのに・・・とウンザリしていましたが、一度言い出したら聞かないのは何処のトップでも同じなようで、結局【地域連携の新事業】と【認知症加算】の2点について新しい業務を立ち上げる事になりました。
ただ、【地域連携】については、施設単独では動けない事が多いため、企画や下準備だけを大まかに決定しておき、次の4月あたりを目途に始動する事となりました。しかし、【認知症加算】については12月中に企画し1月から加算をとる事が決定してしまいます。
更に【認知症加算】は、私が認知症関連の資格を有している事を理由に、何故か1人で企画⇒立ち上げ⇒算定までを行うことになっていたのです。当たり前なのですが、どんなに小さなことでも新規業務の立ち上げは、業務量が劇的に増加していきます。
スタッフの増員やフォロー態勢もなかったため、これまでの業務に追加で膨大な仕事が増える形になってしまったのです。
結局、残業が当たり前となり、それだけでは回せなくなった業務を家に持ち帰ったり、休日に出勤して対応するのが私の業務スタイルになっていったのでした。
このような業務スタイルの中で、痛み止めの服用や家での飲酒量が増加したことをよく覚えています。